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昔、西の方で大きな戦があった。その戦は約5年にも及んだ
。
戦に参加して無事に帰って来た者は喜ぶ者もいれば死んでいった者を悲しむ者もいた。
死んでしまった者はあの世に向かう。そこで地獄の王である閻魔大王に天国に行くのか地獄に行くのか判断してもらうのだ。
閻魔大王はいつものように仕事していた。
するとそこに今までの死人とは違い、鬼2人に押さえつけられながらも抵抗している1人の青年がいた。閻魔大王は青年に言った。
「何故そんなに抵抗する?地獄に行くのが怖いのか?」
閻魔大王の問いに青年は憎しみのこもった目で閻魔大王に言った。
「地獄に行くのが怖いんじゃねぇ!!ただ俺は奴に殺された!だから今度は俺が奴を殺すためにも俺はここで死んでいる場合じゃねぇんだよ!!!!」
青年の言葉を聞いた閻魔大王は小さく笑いながら青年に言った。
「――気に入った。お前にもう一度現世に行く機会をやろう……」
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