運命の人

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「ねぇ~ねぇ~おじさん」 … 「おじさんってば~」 「え?僕?」 初めて彼女に会ったときは、驚きで 頭がいっぱいだった 「遊ばない?」 その一言がとても信じられなくて 体が固まった 「ごめんね…おじさん忙しいから」 この場から逃げたかった きっとからかっただけだろう 「ダメ!私おじさんみたいな人タイプなんだ」 ニッコリと笑ってる彼女は 制服を着ていた 「いやいや嬉しいけどやめときなよ こんなおじさん」 「なんで?」 それはこっちのセリフだ そこそこの給料でサラリーマンやってて 家では娘に睨まれて過ごして 毎日毎日頭下げて生きてて こんな汚いおっさんがタイプ? なんで? 「君いくつなの?」 「16歳です」 「16って…おじさん45だよ? からかうのはやめてよ 君と遊んだら捕まっちゃうよ…ははっ」 彼女は黙り込んだ 「早く家帰った方がいいよ」 「おじさん携帯持ってる?」 「携帯?」 彼女はすかさず僕の胸ポケットに入っていた 携帯を抜き出した 「ハイ!メルアド赤外線しましたから またメール下さい」 「あ!ちょっと!」 彼女は走りながらどこかへ消えた 夢か?
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