家族

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その日は朝の不快感が拭えず、一日調子が悪かった。 いつもなら切り替えられるはずなのに、何だか胸がザワザワして落ち着かない。 …大丈夫だ。 マンションに帰れば、剛がいる。 あいつの顔を見れば、この不快感もきっとすぐ拭い去れる。 ――そう思って帰ったのに。 マンションに入ろうとした時、一台の車がマンションの前で止まった。 何気なくそちらに目を向ける。 乗っているのは知らない男と…。 「…!?」 一瞬目を疑ったが、助手席に乗っていたのは紛れもなく剛だった。 何で…? 誰だよそいつ、何笑いあってんだよ? ギリッと歯が音を立て、また拳に力が入る。 …ふざけんなよ。 お前も俺を裏切んのかよ!  
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