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アーケードの店と店の隙間の様な路地を通り抜ける
上を眺めると壁から壁に紐が伸ばされ白く長い布が風に緩やかに漂っていた
どこからか赤ん坊の泣き声とピアノの調べに乗せられた綺麗な歌声も
いつの間にか
床はゴツゴツした不揃いな石が敷き詰められた歩道に変わっている
狭い路地を何分か歩くと
不意に広い公園が目の前に広がった
芝の敷き詰められた広い公園
囲うフェンスもなく
ただポカンと広く
今までいた通りの裏だとは思えない程に静かな場所
曇り空がとても低く
でもどこまでも広い
「一本外れたらこの通り……喧騒も聞こえません……まぁ、特殊な防音処理をしてまして……これもポルターガイストがやってるんですよ」
「いい仕事するね」
《恐縮です》
「いたのか」
空から声が聞こえた
どうなってんだ?
「探しても見つけられませんよ、プログラムですから……信号を空に送り反響させ雀君の立ってる場所に上手く反射させてます」
「いろいろできんだなぁ……実に有能だね」
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