001 夏が始まりを告げる頃に

1/15
398人が本棚に入れています
本棚に追加
/785ページ

001 夏が始まりを告げる頃に

自分を変えたい。 そう思わない奴はいないはず。 いるなら、それは身の程を知らない奴。 そして過去に失敗を犯した奴は、誰だってそれを悔いるだろう。 それは俺とて例外じゃない。 夏休みが始まる前に犯した2つの過ちは、俺の『半身』を一年の期間を得て、封じて、償わなければならないという。 一つは要らぬ激情に駆られ、自分より弱いものを傷つけてしまったこと。 もう一つは、自分の身の可愛さに、他者を裏切ったこと。 どちらとも、あの人に言わせれば重罪だという。 まあ、行ったことが暴力と偽証で、俺も悪いと素直に反省し、納得はしている。 だが、その『事後処理の仕方』が解らない。 どう、謝罪すればよいか? どう、償えばいいか? どう、許されるのか? 解らない。 何故なら、俺は人との関わり方を知らないから。 ……笑いたいなら、どうぞ笑ってくれ。 他人と関わることなんて、ここ数年になってからなんだから…… そんな俺に、今日届けられた物は、今後の生き方を激変させるものだった。 正直、誰か助けて……
/785ページ

最初のコメントを投稿しよう!