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「私……駿ちゃんに、抱いてもらいたい」
紗姫はほんの10秒程度で体を離し、ベッドにちょこんと座って、火照った顔で呟く
真っ直ぐに僕の瞳を見つめており、唇は唾液で濡れ、淫靡に光っている
「駿ちゃんのコト、本気で好きなの。
起きてから寝るまで……
ずっと、駿ちゃんが頭から離れないの」
そう言って、僕の胸に体を預ける
心臓が、ドクンと跳ね上がった
「兄妹だとか……どうだっていい。
駿ちゃんには、私だけを見てて欲しいの」
僕の背に手を回し、ギュッとしがみつく
紗姫の胸の鼓動が、薄地のパジャマを通して伝わってくる
「僕だって……」
胸の中の紗姫を強く抱きしめ、自分の中でくすぶってた想いを紡いでいく
「ずっと前から、紗姫のことを妹として見れなくなってたよ。けど……自覚しちゃうと、歯止めが利かなくなるから――っ!」
回した両腕に、ギュッと力を込める
「……うん」
紗姫は嫌がる様子も見せず、静かに頷く
「紗姫のことを傷つけたくなくて……
自分の気持ちに、嘘をついてたんだ……」
「うん……知ってた」
頷く代わりに、僕を見上げて薄く微笑む
潤んだ瞳で見つめられ、自身への怒りで高ぶっていた感情が鎮まっていく
「けど……駿ちゃんは、十分すぎるくらい我慢したよ?」
僕の首に腕を絡めて、ふっくらとした赤い唇を、ゆっくり近づけてくる
「2人で……悪いコト、しよ?」
白い灯りに照らされたベッドの上で、二つの影が重なった
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