一夜

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「一緒に寝るのって、いつ以来かな? すっごく久し振りだよね」 うつ伏せに寝そべって、足をパタパタと動かしながら、ポツリと呟く 布団を被らないことから、まだ寝る気はなさそうだと推測する 「毎朝、僕の布団に潜り込んでるけど…… 夜は普通に部屋で寝てるからね」 紗姫が部屋に来てから、ザッと20分はこんな話をしている 今日はいろいろあったせいか、僕の方はそろそろ眠くなってきた 「それは……その、遠慮してたっていうか」 兄妹なんだし、遠慮する必要はないんじゃないかな?いつでも来てよかったのに (けど、自制心を保てるかどうか…… 今まで一緒に寝なかったのは、正解かも) 「ち、違うの。そういうんじゃなくて…… ……私が、駿ちゃんと寝るのは…… 駿ちゃんと、するときって決めてたから」 「ふぇ?何言って…………っ?!」 出かかった言葉が、紗姫の唇に封じられた 唇を重ねるだけのぎこちないキス―― それでもそれは、僕の眠気を吹き飛ばすのに十分な驚きと、心地よさを齎した 僕は動揺しながらも、紗姫の細い腰にゆっくり手を回し、キュッと彼女を抱きしめた
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