第七話

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「ああ、せや。 朝早うにお役人はんが来てな、戦やー言うてみんな出ていきはってんで」 「朝、早くに?」 淡々と言った奥さんの朝という言葉に、ふと気付く。 八月十八日の政変は十八日に幕府からの伝達で呼び出された事が始まりだった筈だ。 「せやから菊、たーんと羽根伸ばしときぃ。…って、菊?どないしたん?」 「はっ、はい、いやなんでもないです…! 私着替えてきますね」 まくし立てるように言うと、私は一度自分が寝ていた部屋に引っ込んだ。  
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