会わせ鏡

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私は数カ月前、大事な人を亡くした。 異性ではあったが恋人だったわけではない。 いわゆる幼なじみ、というやつだ。親友なのだ。いや、今となっては全て『だった』なのだが…… 私はそいつをさっちゃんと呼び、さっちゃんは私をはなと呼んでいた。 小さい頃からずっと一緒だった。 幼稚園も小学校も中学校も。しまいには大学まで一緒だった。 でも……さっちゃんはバイク事故で死んでしまった。身体がぺしゃんこになって圧死だそうだ。何とも呆気ない。 私は泣いた。 大学にも出ず、ただ、ただ、ずっと部屋に篭って泣いていた。 そんな時、大学で知り合った友達がポストの中に一切れの紙を入れていたのに気付き、私はそれに目を通した。 『会わせ鏡って知ってる?知りたいなら大学に出てきてよ』 会わせ鏡。 合わせ鏡ではなく会わせ鏡。 字を間違えたのだろうか?それだと余りに間抜け過ぎる。でも…… 気になる。もし……もし字の通りだとしたら。 私が考えている通りだとしたら。 そんな期待がよぎり、身体中を駆け巡った。
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