16・心の湧き水
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一瞬何が起きたのか俺には分からなかった。情けないことに、真っ白になっていた。 自分からミオがこんなことをするのは初めてで頭がクラクラする。俺は全身の感覚が唇だけに集中するのがわかった。 唇を少し離して、どうだ、参ったかと言わんばかりのミオの顔に俺は呟いた。 「……それ……逆効果だから」 「え?」 この後、ミオは俺に唇を塞がれ、しばらく話すことを許してもらえなかったのは言うまでもない。
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