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始まりの夜
紅き月の下、永遠の夜を約束された国。
小高い丘の上に古びた屋敷があった。威風堂々と建っている屋敷は、古い洋館。中は広く複雑な作りで、外形は常に神秘的なオーラを放っている。
屋敷自体が変わることはなかったが、その所有者は時が経てば経つだけ、転々と変わっていた。
今、屋敷の所有者は、一人の男で落ち着いている。
今日もまた、喉の渇きに堪えかねた緋色の淑女がやってくる。喉の渇きを潤してくれるであろう、ある男に会うために──。
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