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キーンコーンカーンコーン…
待ち焦がれた授業終了の合図。
生徒達は一斉に教室を出ていく。
私、望月美咲もそんな生徒達の中の１人。
ただ、みんなと違うこと…
それは教室を出た後向かう方向。
普通は教室を出て左の階段を使うんだけど、みんなが殺到する階段をわざわざ使うほど私は人が好きな訳じゃない。
だから、私は今は使う人がほとんどいない、寂れた非常階段を使う。
そう、教室を出て右に向かうのだ。
いつものようにのんびりと非常階段を降りて家に帰る…つもりだった。
あの『落とし物』を拾うまでは。
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