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2月3日…
その日は、節分。
こう君を看護婦さんに任せてたまたま、家に帰ってきてた時、病院からの電話。
「お母さんすぐに病院に戻れますか?」
この日どうして、家に帰ってきてしまったのだろう…
夫婦で病院についた時はすでにこう君の心臓は止まっていたようでした。現実を受けとめたくなくて、必死でこう君の名前を叫んだね。こう君のまだ温かい手を握って、ママは鼻水をたくさん出して…
「脈が戻った」
先生の言葉にすがった。こう君はママの声が聞こえたのだと…
だから、何度も何度もこう君を呼んだ。
先生は涙を流しながら3時間、心臓マッサージをやめなかった。私が、認めなかったから。何度も、パパに
「こう君は頑張ったんぞ、ママ…」
と言われたね。
それでも、一度戻った脈を信じたくて、ずっとこう君を呼び続けた。あきらめるなんて、考えられない。ママって呼ぶまで、マッサージを続けて!
でも、パパは泣きながら私をとめた。私は、あの時、床に泣き崩れた。心臓マッサージをしていた担当医師を、別の医師が止めても、先生は泣きながら、
「こう君戻ってこい、頑張ってくれ」
と一向にやめる気配はなかった。
すすり泣く看護婦。悲鳴をあげたママ。
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