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初めてリストカットをしたのは8歳の頃
友達って呼べる友達は居なかった
つくりたくなかった
ひとりが良かった
裏切られるから
みんな偽善者だから
言い寄ってくる人間全てを拒絶した
先生も親さえも
自分の話はひとつもしなかった
周りの機嫌を損ねないように
いつも笑ってた
ただ笑ってた
そこになにも感情はなかった
不意に思った
物を切ることが出来るなら人も切れるはずだって
試しに腕を切ってみた
加減は知らない
普通に物を切るように
自分の腕を切ってみた
痛みは無かった
ただ血が流れた
ただ見とれていた
一筋の赤い線が腕を伝って床に落ちた
愉しさで、新鮮さで、不安で
よくわからない感情が満ち溢れた
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