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紅白での芹那は大盛況に終わった。
パールも相変わらずミユのダンスと歌が光っていた。
一度控え室に戻り、衣装を着替えていると、申し訳なさそうに西川が言った。
「芹那ちゃん、今日はこの後まだ仕事があるの」
「えっ?仕事?入ってましたっけ・・・」
「入ってるのよ。大晦日で申し訳ないんだけど・・・この後すぐ移動するからね」
この後は紅白の客席で、お客さんとして紅白を楽しむ予定だったのだが、仕事が入ってしまったらしい。
JULIAはカウントダウンライブ中なので、ライブ会場から中継で紅白に出演することになっていた。
その中継が見られると思って楽しみにしていたのだが、仕事なのだから仕方がない。
挨拶もそこそこに、ホールを後にした。
「何の仕事ですか?」
大晦日なのに、相変わらず都内はキラキラと電飾が光り、車も多い。
「うーん、勉強会ってところかな」
勉強会の場所は意外と近かったらしく、うとうとしている間に地下の駐車場に車が停まった。
「芹那ちゃん、着いたわよ」
ドアを開けると、なんだか建物全体が凄く騒がしい。
なんだか知っているような気がする。
この雰囲気。
音。
人々が熱狂している声。
すれ違う人々がみな西川に「お疲れ様です」と声をかける。
芹那は小さくなって後ろからついていく。
「西川さん、あの、これってもしかして・・・」
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