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「そうそうみかんちゃん。俺、何時から事務員やったら良いの?」
「そう言えばすっかり忘れてた。でも、俺の戴冠式とかあるって言って無かったか?それが先になるんじゃ……。」
「んー。多分、もう少し後になるんじゃないかな?………今回の事で、暫くはあちらさんも手出し出来ないだろうし。」
「あちらさん?」
「ん。……まあ、気にしなくて良いよ。それで、どうしようか?」
煉ははぐらかす様に、話しを変えた。こうなったら絶対に口を割らないからなー。煉は。
「なあ、煉。」
俺はたった一つ、どうしても気になる事があった。
「煉と俺って………神様の時と今以外に、何処かで会った事ある?」
「……さあ……?」
即答だが、その返事は何だか、含みのある返事だ。でも、多分だが、これ以上聞いても絶対、煉は答え無いだろう。
「薬嗣ダメよー。そんな事言われたら、あたし、勘違いしちゃう~。」
「!!き、気持ち悪い!そのガタイで、女の声は、吐くっっ!!」
「あら。やーねぇ。あたし、蓮華ちゃんのお母さん代理なのよぉー。」
「そう言えば、みかん知らなかったよな。煉、千幸君の保護者代理なんだよ。狸と同じで、変化自在なんだと。で、元、陰陽師安倍晴明。研究対象には持ってこいなんだけどなー。」
民俗学を研究するにあたって、陰陽道から発生した事柄や言葉は結構ある。それの神髄とも言える、陰陽師が目の前にいるのなら、研究者としては、今にでも、喉から手がでそうになる。
「よし、煉。お前、薬嗣の被験体になれ。上手くいけば、民俗学部にあぶく銭が入ってくる。」
「容赦ねえっ!!いや、無理だと思うよ、みかんちゃん。俺の存在、誰が信じるの?」
「……俺は、研究対象としてとかじゃなく、煉が仲良くしてくれたら嬉しいけど……。」
ポツリと俺は言った。知り合ってそんなに立ってないが、煉は狸とか宗とか、違う意味で居心地が良い。
「………そう。」
煉も嬉しそうに返事をくれた。
「まあ、あぶく銭は今度の文化祭で稼ぐとして、煉に最初の仕事を与える。……アイツ等止めろ。」
「………それは、遠回しに死ねと言ってるのかな?みかんちゃん。」
三人で、横を見ると、狸と宗と桔梗君によって、サンコートは瓦礫の山と化していた。
「道摩には煉は立派に戦いましたと言ってやる。」
「拒否権無いのっ?!」
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