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第三章「真実の行方」
鏡との戦いから3日・・・
葵は、自宅として使っている、廃屋で徐々に癒える傷とともに沸き起こるある感情に気付いていた。
それは、ドス黒い殺意・・・組織に入る前、この感情のおもむくままに目につく者、全てを殺した事があった。
組織に入ってからは、その種の任務が山ほどあったため殺戮に不自由することがなかった・・・
ある事件がきっかけで組織を抜け、数年かけて、この感情を押さえ込み浄化するスベを覚えたはずなのに・・・
体が、暗殺者としての本能が求めている・・・殺戮を。
鏡との戦いで刺激されたせいで・・・
そんな自分に苦笑する葵。
その時!!
空間が凍り付いた。
!?
「障界か!?」
葵が、身構えると同時に、上空から天井を破り降り注ぐ一条の光!!
「ちッ。」
回避は間に合わない。
ドウンッ!!!
葵がいた場所を中心に爆砕する。
「案外、あっけなかったな。」
男がいう。
「油断は禁物よ。」
女が嗜める。
「最近、四天王に抜擢されたお前は、奴の力を知らない・・・あれぐらいで死ぬような男ではない。」
もう1人の男が未だ晴れぬ爆煙を見ながら言う。
「ご名答。」
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