本気と書いてマジと詠む!!被虐嗜好と書いてマゾと詠む!!

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セリア「ア゙~ア゙ガガァゴガァ」  半分意識が飛んでるセリアの口から異言語が漏れる。 落下の風圧で髪は逆立ち、頬を押し潰されようになり、涙はまるで重力に逆らって浮遊しているように見える。 ちなみに、高所から落下すると、強烈なショックで意識が飛んだり、失禁したりする。 今のセリアが正にそんな感じ。 そんな凄まじい状況なのに…… 秀「飛べねェ人はただの人だー」 セリア「ただの人でいいー!」  何故か秀は満面の笑みで叫んでる。コレはもはやラリってると言っていいかもしれない。 秀の声で覚醒したセリアが恐怖を紛らわす為に渾身のツッコミを入れるが、それでも地面がどんどん接近していることは否定出来ない。 ここまでの時間コンマ数秒! セリア「う、ぅ…あ゙だぢ、じぬ」 秀「大丈夫! 麒麟!」  地面まで残り数メートルというところで、天空より車程度なら貫通出来そうな威力の雷が落ち、そのまま雷の塊は秀達目掛けて突進した。  塊はやがてはっきりとした姿を表し、秀達はその塊に乗っていた。 その塊とはもちろん麒麟だ。 秀「ヤッホー!! どうだった? セリア、紐無しバンジーの感想って気絶してる! 何で!?」  地面に激突する思ったセリアは落下が止まってる今も、神獣と称えられる麒麟に乗馬するように乗っている罰当たりな秀に抱き抱えられるように気絶している。 ──…… セリア「う、うぅ~ん……秀?」 秀「はァはァ…はァはァ」  しばらくしてセリアは、麒麟の背中の上で目覚めた。 状況が理解出来ないセリアはとりあえず秀を呼んでみるが反応がなく、代わりに秀の荒い吐息が掛かる。 セリア「!…そんなわけないわよね」  一瞬だけ思考が変な方向に行ったが、すぐに思い直して起き上がってありを見た。 セリアはどうやら秀の膝の上に寝かされていたようだ。で、その秀は麒麟に跨がっている。ここまでは普通だが、次からが変だ。 まず、体がやたらスースーする。当たり前だ、セリアは今秀のコートを上からかけてもらってるだけだった。コレはゲゼルにやられたせいだと分かる。 次に、麒麟が何故か自転車並の速度でパカパカ歩いている。一瞬千里の異名を持つ麒麟にしては病的に遅すぎる。 そして、抱き抱える秀は何故か大粒の汗をかきつつ、眼が虚ろで焦点が合ってない。 それをセリアが考えていた時。 ――ドシャ
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