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セリア「お願い! 私はどうなってもいいから、秀を…助けて!!」
セリアの瞳から落ちた雫が麒麟に当たった瞬間、セリアの意識は別世界に飛んだ。
セリア「こ、ここは?」
セリアが目覚めたのは一面真っ暗闇の世界。
もし、セリアが精神構造学に精通していれば此処が深層心域、即ち夢の世界であることがわかったかも知れないが、そんなこと分かる人のほうが稀だ。
麒麟「汝、力を望むか?」
突然目の前に現れた階段から現れたのはヒトだった。
そうとしか言い表せれない。
全身からスゴいオーラが放出されているため、顔やそう言った部分がわからず、ただ人間の輪郭しかわからなかった。
それでも、セリアは階段から降りてくるヒトが麒麟であることがなんとなくだが、そう言う確信が持てた。
麒麟「汝、力を望むか?」
麒麟は再び同じ事を問う。
その声は無機質で感情が籠ってないのに、どこか威厳と優しさに溢れていた。
セリア「麒麟…なのね? 力? そんな凄いモノは要らない。ただ、秀を助けれたらそれでいいの」
麒麟「吾は四聖獣、雷の化身。そして、護りの矛……吾の力は護るべき者の為に在る。
汝に今一度問う? 汝は、護るべき者の為にのみ、我が力を望むか? 他意は無いか?」
セリア「……欲しい、力が、欲しい。お願い…秀を、護りたいの!」
麒麟「……良かろう。汝は我が適性を通過した。
汝を、吾の召喚代理人と認めよう。目覚めよ」
その瞬間、セリアの意識はまた元の世界に戻っていた。
セリア「今のは……でも、これで……」
麒麟『待たれよ!』
余りブッ飛び過ぎていたので脳が処理しきれてないが、それでも麒麟の召喚代理人に成れた事はわかったので、さっそく麒麟に霊力を供給しようとした途端、セリアの頭に麒麟の声が直接響いた。
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