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俊一が死んだ時。守留の差し延べた手を選んでしまった私の罪。
俊一。ごめんなさい。
私はどうしようもない女なの。
守留が憎いのに、怖いと思うのに、……なぜか守留に惹かれてしまう自分がいるの。
ごめんなさい。
俊一、萌梨、美夜。
私は、決して許されない女なのよ。
真っ白い霧の中で泣いていると、向こうから、
「祥子!!」
と私を呼ぶ声がする。
俊一だ。
私はゆっくり立ち上がって、やがて俊一のほうへと駆け出した。
あの子たちの未来は、いろんな人たちに支えられて、やがて切り開かれるだろう。
様々な幸せのかたちで…………。
完
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