ー4ー

2/3
109人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
それからの日々は、本当最悪だった。 仕事の始まりから終わりまで、羽月さんが側を離れることはなかった。 「もう本当、いい加減にしてください。いつまで側にいるつもりですか」 「華菜ちゃんの男嫌いが直るまで…」 羽月さんは耳元でボソッと言った。 そのせいで、私は会社のみなさんから、変な誤解をされるはめになった。 「椿さんと羽月さんは、相変わらず仲がいいねぇ」 「部長!変な誤解はやめて下さいよ」 「華菜ちゃんて良く見ると、すっげぇかわい」 そういうと、羽月さんが後から抱きついてきた。 「人前で抱きつくなぁ!気持ち悪いから離れて」 そんなこんなで、仕事も少し疎かになっています…。 そんな私たちをいつも冷たい眼差しで見る人がいる。 「いい加減にしてくれよ」 木崎さんだ。 「木崎、オレに妬いてるんだ」 「は?」 「おまえも華菜ちゃんと仲良くなりたいんだろ?」 「おまえと一緒にすんな」 木崎さんには、めっきり嫌われてしまった。 羽月さんのせいだ。 最近ちょっと木崎さんていいなって思ってきたのに。 まぁでも、少しは男嫌いが克服できたのかな…?
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!