109人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
小さい頃からずっと、男の子が嫌いだった。
がさつで落ち着きがなくて、乱暴はするし、言葉遣いも汚い。
だから敢えて、近寄らないようにしてた。１９才までは…
でも今年２０才!!このまま男嫌いが直らなかったら、一生彼氏なんてできないじゃんか！
短大を卒業して、今年から社会人。
無理して男性だらけの職場を選んだけど…、先が心配。
４月１日。初出勤の日。
キッチンのテーブルには、母の手作り弁当が置いてあった。
「おはよう」
キッチンに立っていた母が振り返り言った。
「いよいよ今日からね」
「憂鬱…」
「始めからそんな事言ってるんじゃ、続かないわよ」
「だよねぇ…」
「美花（ミカ）ちゃんと同じとこにすれば良かったのに。無理なんかするから」
「自分だって分かってるよ、無茶なことしたって。けどさぁ～…」
母が朝食を私の前に出しながら言った。
「自分で決めたことなんだから、ダメでもともと頑張るだけ頑張ってみなさい」
「うん」
用意を済ませていざ出勤！
最初のコメントを投稿しよう！