雨時々花

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ポツポツ聞こえる心の音 不安が空を曇らせ悲しみが募り雨を降らせる なにもかもが嫌になり だれも信じられなくなっていた ふと空を見上げると光すら通さない厚い灰色の雲 なにをすればいいのか分からずに無我夢中に走り出せば忘れられるような気がした 花屋の前を通れば笑顔を振りまく一人の女性 笑顔にかなわず買ってしまった一輪のチューリップ こんなの趣味でもないのにな 飾る場所がない部屋に無造作に置かれる花 部屋にポツンと花びらが落ちる 窓を見上げれば雲の隙間を光射す太陽 晴れたらきっと楽しくなるよ そう言う君に差し出す一輪の花 醜い僕はもういない もう必要ないよこの花は 水たまりに写るのは少し間が空いた肩を並べる二つの影 赤い夕陽が真っ赤に染まる頬を隠した
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