止まらない想い

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私達はテレビを持って部屋に帰る 配達を頼もうとした私に 勇介は小さいから持って行ける と言った 夕食は外でと思っていたが テレビを持っているため 家で食べる事にした 何がいい? と聞く私に勇介は 「彩の親子丼…」 と言う 「また?(笑)」 私は笑った 勇介は何が食べたいと聞くと 決まってそう言った 「だって 旨ぇんだもん…」 少し笑って言う 勇介は少しずつ柔らかい笑顔を見せてくれるようになっていた 勇介は歩く時 いつも両手をズボンのポケットに入れている でも今日は右手にテレビを持っているため バランスが取れないのか 左手を外に出していた 手…つなぎたい… 私はその衝動にかられ 遠慮がちにそっと その小指を握った 嫌がられたら ふざけた振りをすればいい そう思っていたが 勇介は一瞬ピクリと手を動かした後 私の手を握った…
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