第2話

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舞い散る桜唄 「私の両親は交通事故で死んだの。 身寄りのない私を引き取ってくれたのが祖母。 でもその祖母も私が小学校上がる前に死んだ。 祖母の葬式に遠い親戚が私を引き取ってくれた。 嬉しかった、私の道に光が差したと想ったの。でも……………」 亜莉菜はそこまで言って口を閉ざした。 俺は、抱き締めている亜莉菜を横目で見た。 「親戚に………捨てられたんだ」 決意して紡がれた言葉は、残酷な言葉だった。 俺は息を呑んだ。 捨てられたって…。 「この間…その親戚に捨てられた。私ね、元々身体が弱かったんだ。体調を直ぐに壊してた。 でもそれが段々酷くなっていって、私もおかしいって思って、病院に行ったんだ。 そしたらさ、病気が見つかって…。未来の無い私は捨てられた」 「私にはもう、帰るべき場所が無いんだ」 亜莉菜の言葉が、今分かった。 『私には、もう未来なんて無い』 この言葉の意味が…。 「私ね、その親戚とはあんまり合わなかったの。親戚も仕方無く私を引き取ってくれたみたいだから。 だから、だと想うよ。だから、私は捨てられた。 分かるの、この身体が、病気によって蝕んでいくのが…」 哀しそうな瞳。今すぐにでも泣きたいんだろう。 けれど、必死に絶えて、泣かないようにしている亜莉菜。 何で、そんなに強がるんだよ。 「俺以外いないから、泣けよ。でないと、お前苦しいだろ?」
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