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ミュウが自分が寝ぼけてベッドに潜っただけだど弁明をして、ようやく騒ぎが収まってから3人は風呂から上がっていった。
自室へと戻ると、それぞれは思い思いにくつろぐことにする。
「あれ、ディムさんがいません」
すぐにミュウはそのことに気付き、2人に報告をした。
「ディムさんもお風呂に行ったんじゃないでしょうか?」
すぐにルゥがミュウの問いに答える。
「おっさんだから長風呂でしょうね。うぃーとかふぃーとか言いながらお湯に浸かってそうだわ」
ベッドにごろりと転がりながら、ベルはそう付け加えてやった。
案の定ルゥはそれを聞き咎める。
「ディムさんはそんな年が滲み出るようなことは言いませんっ!」
妙なこだわりがあるらしくルゥがまたムキになりながら反論し、口論の第二ラウンドが始まろうとしていた。
「――ふぃーっ…」
ちょうどその時、ディムは大きく息をつきながらその身を湯に沈めていた。
周りの視線が痛々しいのは、体中についた傷跡を見てのことだろう。
「ぶえっくし!」
ディムが一際大きなくしゃみをすると、他の宿泊客達はビビって目をそらしていった。
「あいつら俺の噂でもしてんのか…?」
自分でもベタだと思いつつディムはそう言って、のぼせ上がるまで体を温めようと長風呂を決め込んでいた。
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