第八章 偽りの仮面

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ミュウが自分が寝ぼけてベッドに潜っただけだど弁明をして、ようやく騒ぎが収まってから3人は風呂から上がっていった。 自室へと戻ると、それぞれは思い思いにくつろぐことにする。 「あれ、ディムさんがいません」 すぐにミュウはそのことに気付き、2人に報告をした。 「ディムさんもお風呂に行ったんじゃないでしょうか?」 すぐにルゥがミュウの問いに答える。 「おっさんだから長風呂でしょうね。うぃーとかふぃーとか言いながらお湯に浸かってそうだわ」 ベッドにごろりと転がりながら、ベルはそう付け加えてやった。 案の定ルゥはそれを聞き咎める。 「ディムさんはそんな年が滲み出るようなことは言いませんっ!」 妙なこだわりがあるらしくルゥがまたムキになりながら反論し、口論の第二ラウンドが始まろうとしていた。 「――ふぃーっ…」 ちょうどその時、ディムは大きく息をつきながらその身を湯に沈めていた。 周りの視線が痛々しいのは、体中についた傷跡を見てのことだろう。 「ぶえっくし!」 ディムが一際大きなくしゃみをすると、他の宿泊客達はビビって目をそらしていった。 「あいつら俺の噂でもしてんのか…?」 自分でもベタだと思いつつディムはそう言って、のぼせ上がるまで体を温めようと長風呂を決め込んでいた。
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