プロローグ

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    私が初めて夢蒔(ユメジ)を見たのは、梅雨が明けるか明けないかの微妙な時期で、梅雨明け空になったと思ったら釘をさすように雨が降った。     梅雨自体、どうしようかまごついていた気難しい時だったのかもしれない。         あの日、夢蒔が公園で私の残したコーラを飲んだりしなくても、きっと違う引き合わせで私たちは逢っていた。   …と思う。       無性にそんな気がしてしまう。           運命を避けるには、あまりにも近すぎた。       私と夢蒔の運命はダンボールのように、厚紙とウネウネがほどよい隙間を作りつつ、端から端まで重なっていた。             だから、出逢ったのは必然なのだ。
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