プロローグ

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 この世界には神々が存在する。そして、神々はこの混乱に乗じて現世に溢れ出、現世を侵略し世界の均衡を崩しかねない魔族達を懲らしめるべきだと考えた。  しかし、この世の様々な理を無視した力を持つ神々が直接現世に出れば、さらなる混沌を引き起こす可能性があった。  だが魔族が現世に出て、世界に大きく悪影響を与えている今、ただ傍観している事も出来なかった。  その為、神々は天界から天使達を数十名、現世に遣わせる事とした。  一方現世の人間達は、このままお互いが潰し合えば、最後に笑うのは魔族のみになってしまうと考えた。そこで世界中の全種族は一時的に停戦し、互いに力を合わせてその圧倒的な力に立ち向かおうとしていた。  しかし、魔族達の力は現世の人々の予想を遥かに超え、先の種族間戦争で疲弊した現世側に勝ち目はほとんど無く、勝利を誰もが諦めかけていた。  そんな時だった。天使達が現れたのは。  驚異的な力を持った天使達の出現により、人類は徐々に力を盛り返し、少しずつ魔族達を退けていった。  しばらくの後、天使達や人々の尽力もあって、世界からは魔族の影は消えた。  今回の事件で再び争う気も力も無くした人類は互いに和平を結び、世界は再び平穏を見せ始めた。  そうして、全世界を巻き込んだ大戦は終わりを迎えたのである。  余談だが、この時の魔物退治に大きく貢献した天使達の多くは天界へと帰って行ったが、何らかの理由で現世に残った者もいるとされている。
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