第3話

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「内緒」 そう、最初に会った時もそうだった。 「君も、私に会わない方が良いよ」 俺は、鈍器で頭を殴られたような気がした。 「な、んで」 彼女を見上げる。 「どうしても。別れは辛くない方が、良いでしょう?」 哀しそうに微笑む、彼女。 「私は、君の哀しい顔を見たくないの」 俺の頬に触れる彼女。 彼女の手に俺の手を重ねる。 「何で、別れなんだ?」 俺がそう聞くと、彼女は少し目を見開いた後、ふと微笑む。 「いずれ、分かるよ。この言葉(コトノハ)の意味が」 何で、そんなに哀しそうなんだよ。 何で、そんなに、笑うんだよ。 哀しそうに…、何で笑うんだよ。 「有難う。小坂君」 君の笑顔が、本当に綺麗で…。 本当に、消えそうで…。 手離したくないと、本当にそう、心から想った…。 * * * * * * 有難う、なんて、言葉。 さようなら、なんて、言葉。 「有難う。小坂君」 そう、君に会えた事は、私にとって運命かも知れなかったんじゃないかな。 「君に出逢えた事、私は誇りに想うよ」 君に逢えて良かった。 「最期の別れ」 貴男の為に…、私は…。 詩を紡ぐから…。 風よ、想いを…。 空よ、声を…。 届けて、彼方に…。
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