知らない街の、バスでの出来事

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 乗り換えも含めて電車で約2時間半、それほど遠いという事も無いが、気軽に遊びに来れる距離でもない。はじめて訪れた、古い友人の住む町である。  駅と駅の感覚が異様に長く感じられ、友人の家まではバスを使わないと時間がかかりすぎてしまう。それでもド田舎というわけではなく、バスは結構込んでいた。友人は最寄のバス停までは、迎えに来てくれることになっている。  友人の家の最寄のバス停の、一つ手前のバス停は学校のすぐ近くなのだそうで、バスの中は制服集団の話し声や笑い声で騒がしい。今は旧友との再会に機嫌も良く、ほほえましく思えたが、通勤で毎日乗り合わせることになったらたまらないだろうな、などとバスに揺られながら考えていた。
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