第二章:ラバウル攻略

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「進路斜め前方より味方機、ガビエンかラエを攻撃に向かった隊と思われる」  彼は進路前方より近付いてくる機体が零戦と一式陸攻であることを見張り員と通信手に知らせた。  向こうもこちらに気付いたらしく、味方であることをしらせるために翼をバンクさせる。  編隊の中から零戦が彼の隊へと合流し、一式陸攻はトラックへ向けて進路を西へと取る。  その後、20分程して母艦が見えてきた。  次々に着艦していく攻撃隊。  敵の抵抗が少なかったせいもあり、着艦に失敗して遮風柵に衝突したりする機はない。  彼も無難に着艦作業を終えると、機体を整備員に委ねた。  彼はこの時知る由もなかった。  さっき攻撃に向かったラバウルが太平洋戦争有数の激戦地となることを。  そして、彼と寝食をともにしている搭乗員の多くがそこで命を落とすことになることも・・・  
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