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サチコは準備を整えると階段を下りる。
バタバタしている母親を横目に玄関を出て外の空気を吸う。
太陽が照りつけ暖かいのに風が冷たくサチコにあたる。
なにげない冬の気候…。
でも何が違和感があった。
家に戻ろうとすると「お姉ちゃん!」と声をかけられた。
振り返ると玄関の少し先にある門の所に男の子が立っている。
「どうしたの?」
深くキャップをかぶって顔が良く見えないが知らない顔だ。
「お姉ちゃん宛に手紙…落ちてたよ。」
良く見るとその男の子は白い封筒のような物を持っている。
「あっそうだったの?ごめん。ありがと。」
サチコがその手紙を受け取ると男の子はすぐに走っていってしまった。
私宛?
それにしてもなんか気持ち悪い子だったな。
サチコはどこにも宛名が書いていない封筒を眺めた。
そして開いた。
『今日お前は死ぬ』
白い紙の上に新聞の記事の切り取り文字で
書かれていた。
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