†Prologue†

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ここは大国メルカトルの首都・フィメール。 ここの女王の娘ミリアは今年、少し遠い魔術学院に入学する。 ……――ミリアの我が儘で。 「姫様ー!!」 侍女は城の中を走り回りながらミリアを探している。 「……いない」 そこに見回りの兵士が通りかかり、ミリアを見なかったか聞いてみる事にした。 「あの~姫様を見かけませんでしたか?」 「いや、見てないけど……部屋にいないのかい?」 (いないから探してんのよ!!) そう思うだけで口には出さないが、侍女は表情で語ってしまっている事に気付かない。 「……………」 「……………」 お互いに顔を無言で見合っている。 端から見れば見つめ合ってるように見え……ないな。 二人とも目が怖いし。
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