第十一章・・・墓場

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●ティーパーティーに参加する亡霊たち     五体の胸像の前を通り過ぎたところで開かれているティーパーティーに参加する亡霊たち。   彼らは1931年10月31日にグレイシー家で開催されたハロウィンパーティーに呼ばれた面々だった。   屋敷に住むビクトリア・ボウフォント夫人(舞踏会場で蝋燭の火を吹き消している女性)の提案で、屋敷の墓地で開催されたこのパーティー。招待されたのは町の有力者たちだった。   彼らは心ゆくまでパーティーを楽しんで、ビクトリア夫人の作ったお茶に舌鼓を打ちながら帰っていった。     その夜、パーティーの参加者は真夜中に突然うなされ、高熱を出してしまった。 人々は町の医者が頼みだったが、医者もまたパーティーに参加し、お茶を飲んでいたので動くことが出来なかった。     仕方がないので隣の町の医者に診察を頼んだ町の人々であったが、症状は急激に悪化してしまい、ビクトリア夫人を含むパーティーの参加者は一人残らず死んでしまった。     騒ぎの発端となったグレイシー家は、医者の到着の遅さを理由に罪を逃れてしまったが、後に、お茶を作るのに用いられた井戸の水が汚染されていることが判明した。    なぜ屋敷の井戸が汚染されていたのか、それは今となっては闇の中である。     だが興味深いのは、ちょうどこの年はビクトリア夫人がマダム・レオタに死の宣告をされてから13年後ということである。     まさか毒を入れたのは………
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