濃霧

1/16
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ

濃霧

この世界に生まれて。 何年もの時が過ぎ。 世界というものを生まれて来て初めて見たはずなのに。 生まれるまでの自分がなんだったのかもわからかないのに。 ただひたすら、今とこれからのためにそれまでを背負わされる。 私は旅人。 腰に片方は長めで細身の、片方は短めの二本のナイフを下げて、ひとりで歩いて世界をさまよっている。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!