濃霧

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「静かだ・・・。」 私は森の中で呟いた。 無音という音で耳が痛くなるほどだ。 濃い霧で辺りは真っ白だった。 風もなく、木々は揺れることがない。 今ここで息絶えたとしても、気付いてくれる人間はいなさそうだ。 だんだんと強くなる昇ったばかりの日の光りを浴びて、霧は一層視界を悪くしていた。
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