76人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
焚き火にあたる、二人の私服の少年。帽子を横に被り、白いパーカーを着た一人が言った。
「加賀美先輩、頑張りますね~」
彼の視線の先には必死に音を奏でている、これまたパーカーを着た長身の少年がいた。
「ホントは、お前がもっと頑張らなきゃいけないんだけどな。……っと焼けた焼けた」
焚き火にあたるもう一人が答える。そしてアルミホイルに包まれた焼き芋を手の上で転がしながら続けた。
「大澤、俺たちが卒業したらこの部の事、頼むぞ」
言葉の終わりと同時に、焼き芋を手渡す。
「皆見先輩、卒業できるんですか? こんなとこで焚き火して、怒られてもしりませんよ」
大澤と呼ばれた少年は、帽子をとりアルミホイルをむく。
顔はまだ幼い。
ちょうど今持っている焼き芋の様に甘い顔。
年上の女性にモテそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!