血の薔薇

2/3
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
  あるところにね、薔薇の種が一つポツンと落ちていたの。 その種を小さな女の子が拾ったの。 「あなたも1人ぼっちなのね」 小さな声で呟きながら 小さな女の子は、すぐに その種を鉢の中うめて 出窓の近くに置いたの。 「種さん、大きくなってね。」 それから、その薔薇はすくすくと育って 立派な白い薔薇になったの。 小さな女の子は、毎日毎日その薔薇に水をあげて、一生懸命お世話したの。 そして薔薇に話しかけては優しく微笑んだの。 「薔薇さん、ずっと一緒よ」 薔薇は、小さな女の子が大好きで…水をくれる時に いつもいつも 「ありがとう」と唱えたの。 その薔薇には魂が宿っていたの。 だけど、突然 小さな女の子が消えてしまったの。 薔薇は、自分の事より小さな女の子の事を心配したの。 それから一週間たって水をもらってない薔薇は枯れはじめるの。 苦しくて苦しくて、それでも小さな女の子の事を思いながら 耐えて待つの。 そしたら、 血だらけの女の子がやってきて 「ゴメンね…ゴメンね…」 って薔薇の前で泣くの。 そして、その女の子は、「ゴメンね、水ないや…でも枯れないで…」といって 薔薇に水の変わりに自分の血をかけるの。  
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!