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あるところにね、薔薇の種が一つポツンと落ちていたの。
その種を小さな女の子が拾ったの。
「あなたも1人ぼっちなのね」
小さな声で呟きながら
小さな女の子は、すぐに その種を鉢の中うめて
出窓の近くに置いたの。
「種さん、大きくなってね。」
それから、その薔薇はすくすくと育って
立派な白い薔薇になったの。
小さな女の子は、毎日毎日その薔薇に水をあげて、一生懸命お世話したの。
そして薔薇に話しかけては優しく微笑んだの。
「薔薇さん、ずっと一緒よ」
薔薇は、小さな女の子が大好きで…水をくれる時に いつもいつも 「ありがとう」と唱えたの。
その薔薇には魂が宿っていたの。
だけど、突然 小さな女の子が消えてしまったの。
薔薇は、自分の事より小さな女の子の事を心配したの。
それから一週間たって水をもらってない薔薇は枯れはじめるの。
苦しくて苦しくて、それでも小さな女の子の事を思いながら
耐えて待つの。
そしたら、
血だらけの女の子がやってきて
「ゴメンね…ゴメンね…」
って薔薇の前で泣くの。
そして、その女の子は、「ゴメンね、水ないや…でも枯れないで…」といって
薔薇に水の変わりに自分の血をかけるの。
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