第1部 プロローグ

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第1部 プロローグ

  それは春の朝。 見上げると、空は雲一つない。 大きな大きな青い空。 まだ冷たさが残る春の風は、通勤カバンを持つ僕の指先を冷やす。 僕の隣には見知らぬ幼い少女が真新しい真っ赤なランドセルを重たそうに背負っていた。     その幼い少女は目の前の信号機が青になるのを待っている。  
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