第1話:「興味が無いわ」

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第1話:「興味が無いわ」

「お前が噂のバタフリーか?」  時刻は0時を過ぎている。 「噂通り、華奢だな……」  全く、何でわざわざ夜中に悪さをするのよ……。 「力を有り余らせたソーサラーたちを次々と消し去り、現在最強の称号を手にしている……」  むさ苦しい男ね……。  両手のカキ爪がむさ苦しさを増長させていた。  穴の空いたボロボロのマント。  穴からは色褪せた武道着が見え隠れする。  かなりの使い手。  でもね、髭くらい剃りなさいよ! 「お前を倒せば、俺が最強だ!」  男はそう言って襲い掛かってきた。  右手を振り上げ、そのまま斜めに振り下ろす。  これは囮り。  私は後ろに下がり、ギリギリでかわす。  男はそのまま左足で小さく飛び、右足を軸に変え、左足を大きく後ろから前へ左回転で回し蹴りをしてくる。  体重が乗っていない?  しゃがんでかわす。  もう1回転してきた。  狙いは足元。  足払い。  これを飛んでかわせば、次の回転で左手の爪が裏拳チックに私を直撃。  だから、飛んでかわした。  でも、最小限。  左手が来るのに合わせて、足を出す。  肘を目がけて――
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