~2・親族の証言~

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仕事にも馴れてきて、現場の一つを任されるようになってきた時、カズヤは結婚しました。父がもってきた見合い話の相手でした。子供も生まれ、少しずつ、カズヤも笑顔を取り戻しつつありました。だけど、それもつかの間の幸福でした…… 奥様が、心の病にかかったのです。仕事に精を出し始めたカズヤは妻の異変に気付くことが出来ず……ある日、カズヤが家に帰ってくると、妻はもう、この世にいませんでした――待っていたのは、泣きじゃくる一人息子と、ぶら下がっている妻……カズヤはそれから、再び笑わなくなりました……。 カズヤは、苦しんでいたのだと思います。肉親にも、一切自分の気持ちを話すことなく……今でも、おせっかいでも良かったから、何か出来なかったのかと……考えてしまうのです。
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