prologue

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 激しく剣の交わる音が聞こえる。その音は時間が経つにつれ大きくなっていく。  2人の男は肩で息をしている。片方の男が口を開く。 ?「何故だ!何故お前がこんな事を!」 ?「何故だと?本当に解らないのか?」  2人の行動を仲間が見守っている。仲間達は身動きができない。仲間達は既に重傷を負っていた。さっきまでの戦闘で予想外に大きなダメージを受けてしまったのだ。辛うじて軽傷で済んだ仲間が1人で戦っている。 ?「俺はお前を尊敬していた。観察力があり、剣術においても誰にも引けを取らない。」 男は一度言葉を区切る。 ?「だが、お前は一度仲間を見殺しにした!俺の最愛の人をだ!」 ?「…!!」 ?「それからというもの、俺は自分自身を抑えきれなかった。お前を憎しみさえしたが、表には出さなかった。そんな中、俺を誘惑する声が聞こえた。そんなに憎いのなら殺してしまえばいいと。消しさえすれば、もう誰も失わなくてすむと。」 ?「それは…!」 ?「勿論俺は思い留まったさ。仮にも今まで一緒に旅をしてきた仲間だ。」  男は仲間の方を見る。 ?「だが、俺の心を知っていた数少ない仲間に慰められ、俺はどんどん惹かれていった。しかしそいつには他に想いを寄せる相手がいた。」  仲間の1人が戦っている2人から目を逸らす。 ?「このままでは俺の心は永遠に満たされない。俺はお前を倒す!たとえどんな姿になろうともな!」 ?「まさか…。止めろ!俺達は邪神の復活を止めるために…!」 ?「煩い!!」  男は何かを持った状態で右手を高く上げる。黒い雲が辺りを包みだしその雲から稲妻が男めがけて落ちた。  男の肉体が瞬く間に変化していく。その間に男は仲間の傍に駆け寄る。 ?「クソッ、どうしたらいいんだ!? 男の問いに仲間の1人が応える。 ?「君は一体どうしたいんだい?」 ?「俺は…。」  男は暫く考える。そして決心したように顔を上げた。 ?「村雨を貸してくれ。」 仲間の1人から村雨を受け取り鞘から抜く。 ?「済まない、暫くの間眠っていてくれ…。」  男は怪物と化した男を村雨で斬りつけた。
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