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場面⑤弥夜
４月７日。ハルが旅立った日――
ハルとその家族が行き着いた先は、新しい地でもなく『死』だった。
ハルたちが乗った行きの飛行機は墜落したのだ。
小さな飛行機でも乗っていたのは124名。
そのうちの82名が命を落とした。
ハルたちは124分の82の確立に入ってしまったのだ。
これからの生活を、成長していくのを、当たり前だと思っていた俺には、受け入れがたい事実だった。
まだ、ガキの俺には重過ぎる現実。
いくら葬式で笑顔のハルの写真を見ても、喪服に身を包んだ大人たちを見ても、まわりで泣く同級生やミヨをみても、
――信じたくなかったんだ。
124分の42の確立に入れなかったことを。
ハルが死んでしまったってことを。
もう、あの雨の日の約束が果たされないってことを――
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