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リノアは手を後ろでくみながら、視線をキョロキョロさせている。 女の子特有の仕草というやつだ。 「私のこと……助けてくれて……」 「いいよ」 クロスはリノアの言葉を遮った。 だが、リノアは首を横に振って言葉を続ける。 「ううん。ちゃんとお礼を言いたいの」 「………」 「……ありがとう。……クロス君」 その瞬間に照れくささからか、リノアは満面の笑みを浮かべた。 今までのリノアなら有り得ない笑顔だ。 「よかった。守れて…」 クロスも笑顔を返した。
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