遠足

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狹天の鐘は俺たちのいく島にある名所らしい。 なんでも複雑な道を通らなければならないので、しおりには載っていないのだが、千種兄たちは行ったらしい。 『鳴らせ鳴らせ鐘の音 一度ならせばイキビトに 二度ならせばシビトに 三度ならせばカミサマに』 「とかなんとか売店のおばあちゃんに教えてもらって」 「そうそう、悠の我が儘で行ったな」 「うるさい」 律は瞳を輝かせ 隼人は少し難しい顔をした。 なにかと思い俺は隼人に声をかけようとした、が。 キーンコーン… チャイムが邪魔をした。 千種兄たちと別れ、教室についた途端隼人が呟いた。 「狹天の鐘に行くぞ。」 俺と律は驚いて一瞬固まってしまい、先生に注意された。 隼人は平然と席についていた。
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