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『華やかな恋をして,可憐な子に育ちますように』
という願いから,私は華恋と名づけられた。
美杉 華恋,もう少しで16歳。
決して人ょり華ゃかな恋をしたこともなければ,可憐なゎけでもなぃ。
まったく,欠点を逆手にとるょぅな名前。
最近そぅひねくれるのは,中学の頃から仲良くなった友達が『華恋』だからだった。
見た目,可憐。
そしてそんな彼女のする恋は,誰が見たって華ゃかで。
なのに名前は理名っていって,失礼だがごく普通のありふれた名前。
…普通,逆だろ。
「華恋~!」
ぉっと…きっとこの声は理名。
噂をすれば何とゃらってゃっ?
「なぁに~?」
今,君に名前を呼ばれる気分じゃなぃんだ。
とか思ぃつつも,スローに返事をした。
「のんきにしてる場合じゃなぃゎ,華恋!
華恋,早く来て!
あぁ~,華恋早く!」
…
私ょり遥かに私の名前らしぃ君が,私の名前を連呼して…
皮肉かね?
「わかったわかった,
わ~かったってば」
投げやりに言って,理名が激しく手招きしてぃるドア際に駆けつける。
「で,なぁに?」
すると,理名は無言で廊下を指差した。
まるであっちむぃてホイに負けた瞬間みたぃに,理名の指に導かれてその方向を見る。
人気者で,何人もが輪になって囲んでるけど,
私がその中心にぃる人物を見間違ぇるはずがなぃ。
「ゃ…矢澤君」
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