始まりの話

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  「違うの?」 「…………先輩、どっかで姫力とか女子力とか買って来たらいーんじゃないっスか?」 売ってるなら買っても構わないけどね? あー、でも出せても5千円以内だな。ちなみに2個セットでお願いします。 「ところで、相模クン。イヴのご予定は?」 「……相模、くん??」 私の呼び方に、何故か構える。 とことん、失礼な奴だな。 「イヴの予定は?って聞いてるだけでしょ?」 「……特にないですけど?」 「あれ?彼女は?」 「かっなり前に別れました」 へぇ。 別れちゃったんだ。 「勿体ない。可愛い子だったのに」 「可愛いけりゃいい。ってモンでもないですから」 「じゃ、どーゆーのがいいのよ?」 人に可愛げのカケラもないって言っておいて? 可愛けりゃいいってモンでもないって、どーゆー事? 「具体的ってのは難しいですけど、」 「うん?」 「オンナとして惚れるよりも、ヒトとして惚れた相手?とかですね」 「ごめん。ちょっと意味が解らんよ」 ヒトとして、惚れた相手? それは友達と言うジャンルじゃないか?? 「ヒトとして惚れて、更にオンナを見れたらベストって事です」 「…………友達から恋愛に発展したいタイプって事?」 「そーゆー訳じゃないですけど、まぁ、そんな感じです」 ヒトとして、ねぇ。 「ちなみに、今はそーゆー子居ないの?」 「何スか?酒も飲んでないのに、今日は随分絡んできますね?」 「だって暇なんだもん。それに世間様がどーやって恋に落ちるか。興味あるじゃない」 言えば、しばらく私を黙って見る相模。 だから、私もそのまま見返す。 「先輩、オンナとしてどーかと思いますけど。その発言」 「いいわよ。いっそ、おばちゃんと認識して頂戴」 「オンナ捨てるには、ちょっと年齢的に早いと思いますよ?」 いつまで必死にオンナにしがみついてるんだよ。って言われるよりは、マシよ? 大体。 オンナなんて、惚れた相手にだけ見せてりゃいい。 ……って、考えが姫力と女子力の無い女の典型なのか? 「面倒な世の中だ」 「……あ、俺。そろそろ休憩あがります」 「んー」  
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