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「おい、どういうことだ!泣かすぞこの野郎!」
「だ・か・ら!君の次の任務は魔法学校に通うことなの!マジで泣いちゃうからこの手を離して!」
胸倉を掴まれて、半泣き状態で必死に抵抗する。
「チッ!」
「この子恐いよ~」
冷静に会話するために仕方無くその手を離す。
その瞬間にフォルスは部屋の隅まで駆け出し、怯える小動物のように膝を抱えて震える。
「んで、何で俺がそんな所に行かなきゃならないんだ?」
「よく聞いてくれました!」
話が進まないと判断したのか溜め息混じりにアルが言うと、フォルスが元気を取り戻して物凄い勢いで迫ってくる。
「僕の可愛い愛娘の事は知ってるよね!」
「会ったことは無いがな。顔ちけぇ。お前キモい」
笑顔で迫るその顔を冷静に掴む。
「んでね、今年王都の魔法学校に入ることになったんだ」
「……お前、まさか…」
掴んでいた手が力無く落ちていく。
まるで、これから言うことを予感するかのように。
「そ!君には可愛い愛娘に悪い虫が着かないように護衛を頼みたいんだ!」
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