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神宮寺は更に急いで走る。 ようやく公園の出口に立った時、影山の姿は無かった。 しかし、代わりに宏が立っていた。 肩と頭に雪を積もらせ、不安な顔で神宮寺を見る宏。 神宮寺にはもう随分と長い間宏がそこに立っているのだとわかった。 氷河に大きなヒビが入り、雨雲が過去っていく。 私には母さんだけじゃない。 他にも大切な人がまだまだいる。 冷えきった身体を安心感がジンワリと温めてくれる。 「アンタ、雪だるま?」 神宮寺はそう言って雪玉をぶつけた。 「冷たっ!」 雪玉は宏のコメカミに衝突した。 「ハハハッ!」 神宮寺は笑った。 「飛鳥…………」 さっきまで氷のように固かった宏の顔は驚きに溢れていた。 「何驚いちゃってんのよ!」 神宮寺は再び雪玉を宏にぶつけた。
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