やられる理由はいつも理不尽

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「ベルはいくら決闘と言っても私利私欲のために魔法を連発したからな。キルシルア家の罰則が執行されたんだろう」 そういえば前に私利私欲のために魔法を使ったら、世にも恐ろしいことが起きるとネムが言っていた。 これが……その世にも恐ろしいことか……確かに恐ろしいな。自分がトカゲになってしまうとは… 「罰則は貴族によって違うのか?」 「その通りだ。私利私欲による魔法の使用に対する罰則は家系によって違うんだ。キルシルア家の罰則は『私利私欲によって魔法を使用した者に対して1ヶ月、爬虫類変化の魔法を執行する』だ」 なんとも面倒な……でも確かに罰則がないと、魔法を私利私欲のために使用する輩も沢山いるのだろう。 ……もしかしてネムが前にベルのことを爬虫類みたいな奴だって言ってたのは……これのことだったのか? 『……拓哉……』 喋った。トカゲが。 『こうなっては魔法は使えない。しかも1ヶ月、元の姿には戻れないのだ。この歳にもなってこの姿になろうとは……情けない。  いい機会だ。私は一度、自分を鍛え直してくる。そしてまたいつか、ネムを取り返すためにお前に挑もう。覚悟しているんだぞ……今回の決闘はお預けだ』 喋ってる。トカゲが。  
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